まっるきり否定できないそれでいて考えたくない現実にさらされて
しかも救いがない恐ろしさに後味の悪い読後感。
刑法39条の矛盾。近代医療への期待や希望と限界。有効治療や医薬品の開発。
関心の高い問題をちりばめながらいまだ本質的な解決策のないことが
憂鬱にさせる。小説の中でもその辺がこの著者の強みと弱さになっている。
だからといって途中でやめられないミステリータッチの展開の面白さ。
著者自身がどこに位置する医師なのかな気になるところ。
それにしてもグロテスクに過ぎる場面の多さ。
エログロではあっても、全然ロマンチックでないのもね。
これで著者の全3冊を読み終えた。
次は何がテーマになるかしら?